農学・生理学・食品学

コーヒーの科学(コーヒー好きだけではなくコーヒーを語ろう!)

こんにちは、しじもです。皆さんは、コーヒーはお好きですか?

最近ですと、セブンなどコンビニで安くておいしいコーヒーが飲めますね!

私もコーヒーが大好きで、コーヒー屋によく買いに行きます(私の行きつけは珈琲問屋というところです)。

そして、皆さんはコーヒーのことをどのくらい知ってますか?苦いカフェインおいしい深いモカがすき、などなど言葉が出てくるとは思いますが意外と「コーヒーってなんだ?」と思うことがあると思います。

本題ですが、今回紹介する本は、講談社ブルーバックスから販売されている、旦部幸博さん著書の「コーヒーの科学」という本を紹介します。この本を読めば、きっとコーヒーを少し語れるようになれますよ。それでは、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

難易度★★☆☆☆

(今回から難易度をつけてみようかなと、星が多いと難しいって感じです。

今回は科学系ではありますが、身近なコーヒーというジャンルで、内容も著者の方が親しみ安い文章を書いているので読みやすいと感じましたので星2つです)

全体の感想および本書の構成

この本を読んでの感想ですが、ブルーバックスからの出版ですから科学的であまり馴染みのない人が読まれると難しい部分もありますが、少し冒頭で説明した通り、著者の方が出来るだけわかりやすく、親近感わくような文章なので読みやすいです

また、この本は著者がはじめにで、

当時の私と同じようにコーヒーを深く知りたいと願う人、理科好きの人、知的冒険を楽しみたい人、そして何より、コーヒーが好きな人たちの「なぜ?」に答える1冊になればとねがいます。引用元:コーヒーの科学 p5

と述べているので、コーヒー好きでもっと知りたいという心があれば、楽しく読めるはずです!!

本書の構成は以下の大きく8章で構成されています。

1章:コーヒーって何だろう?

2章:コーヒーノキとコーヒー豆

3章:コーヒーの歴史

4章:コーヒーの「おいしさ」

5章:おいしさを生み出すコーヒーの成分

6章:焙煎の科学

7章:コーヒーの抽出

8章:コーヒーと健康

それでは、興味をもった章の簡単な説明と自分が思ったことを書いていくのでよろしかったら読んでみてください。

また、2章に関しては自分は科学的な部分が多いと思ったので一番最後にすこし書きますが、読み飛ばしても構いません。

各章の簡単な説明・自分の思ったこと

コーヒーの豆の構成を見たことがありますか?(1章)

1章では、主にコーヒーが出来るまでの流れを記述してあります

コーヒーの果実はどのようなものなのか、果実から取り出した豆はどのように精製するのか、焙煎とはなんぞや、抽出とはなんぞやとこの本を読むにあたってのさわりを簡単にまとめていました。

短い章ではありますが、この導入があるとこの後の章が読みやすくなるなという印象を受けました。

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(コーヒーの花、ジャスミンみたいな香りがするそうですよ)

コーヒーのおいしさをより詳しく(4・5章)

4・5章にかけて、おそらくこの本の一番興味深い部分だと感じました(私の体感です)

4章では、私たちがコーヒーに対して感じている味や

香りについて、単に「苦い」、「おいしい」、「いい香り」だけではなくさらに深掘りを進めて、プロはコーヒーに対してどのような味と香りの表現をしているのか記述しています。

また、科学的に私たちはどのようにコーヒーの「おいしさ」と「香り」を感じているのか、生理学的観点から説明しています。

こうブログを書いていて思ったのですが、4章は人間視点のコーヒーのおいしさについて、書いていると感じました

特に、私が印象深かったのはイギリス版コーヒーの味ことばで、「フルーティー」は飲んでて分かるのですが、「」や「ゴム」などの表現もあり「土」は感じたことも無くはないですが、「ゴム」はまだ経験していないです(笑)。なんかワインの表現と似たものを感じますね(後々ワインの本も紹介しようかなと思っています)。

5章では4章と違い、コーヒーの中身の成分のおいしさについて記述していました。

苦み成分は何が入っているのか、香りの成分はたくさんの種類があること、コーヒーの香りで最もコーヒーらしさを表現している成分とは?、4章でもありましたが、フルーティーなどの表現の元になっているコーヒーの成分とは?などが記述されています。

特に印象深かったのは、苦み成分のところです。私もそう思っていたのですが、

カフェインが苦みの主な原因かと思っていたのですが、じつはカフェインは苦みの1~3割程度ということが意外でした。

焙煎度、あなたはどこまで知ってますか?(6章)

6章はタイトル通り焙煎度について記述されています。私たち日本人は、コーヒーの焙煎度といったら、浅煎り、中煎り、深煎りと言った表現をしますが海外ではどう表現しているの?ってことを記述してありました。この本でも書かれていますが、

私の行きつけのコーヒー屋(珈琲問屋ってところです)は以下の焙煎度で分けられていました。(雑です)

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また、この章ではコーヒーを焙煎したときに、コーヒー豆にどのような状態なのか、成分の変化など書かれていますが、私には少し難しかったです。

私自身、この章では焙煎度ってこんな分け方をしていて、こんな焙煎方法があるんだーって、とりあえずそこだけわかればいいかなって思っています。

コーヒーの抽出、お茶とどこが違うの?(7章)

7章では、コーヒーの抽出について記述されています。コーヒーの抽出方法には浸漬方法と透過抽出があること(普段皆さんが慣れ親しむコーヒーペーパーは透過抽出にあたります)、どのように抽出すればおいしいコーヒーが淹れられるか、サイフォンなどの各コーヒー機器の抽出のメカニズムが記述されています。

すこし話題はそれますが、コーヒーは最初においしい成分が出るのに対して、お茶は最後においしい成分が詰まっています(急須からでる最後の一滴は

ゴールデンドロップとよばれます)。

なので、手でコーヒーを入れる時には「もったいないから最後まで入れる!」ではなくて、途中で切り上げたほうが美味しく入れられますよ。

おまけ、コーヒーの分類形態(2章に関係しますが、アカデミックなので読み飛ばしていただいても結構です)

コーヒーは植物ということは、周知の事実ですが、何科の植物でどの植物の仲間何だろう疑問に持つ人がいると思います。

コーヒーはリンドウ目、アカネ科、コーヒー属の常緑小高木です。アカネ科の仲間を調べてみると、あまり皆さんが知っているような植物はありませんでしたが、

トコン(吐根という漢方に使われる植物がコーヒーのお仲間です。ちなみチョコの原料となっているカカオはどうなの?なんか似てるじゃんと思ったのですが、カカオはアオイ科でした。

次に、皆さんコーヒーを買うときに”アラビカ種100%使用”と書かれた商品を見たことがありますか?

実は、いま出回っているコーヒーのほとんどはアラビカ種というもので、一部カネフォラ種とブレンドして販売されているものもあります。

また、アラビカ種とカネフォラ種とは別に、リベリカ種があり、この3種がコーヒー属のメインになる種です。

そして、なぜ、アラビカ種ばかりが出回っているのでしょうか?なんとなく理由は分かると思いますが、アラビカ種の方が香味に優れ高品質なのです。

一方カネフォラ種は、アラビカ種と比べて病気に強いです。ですが、アラビカ種と比較して、苦みが強く、独特な臭みがあるため安価で取引されています。そのためアラビカ種が市場によく出回るのです。ちなみに、カネフォラ種は「ロブスタコーヒー」とも呼ばれています

また、アラビカ種とカネフォラ種を掛け合わせたハイブリド・ティモールというコーヒーの病気に強い品種が発見されて、私も一回飲んだことがあるのですが、美味しかったです(昔なので、どんな香りだったか思い出せませんが)。

おわりに

いかがだったでしょうか?最後まで読んで下さって、ありがとうございました!

コーヒー好きな方も、コーヒーまだよくわからないという方も、少しでもこの本に興味を持っていただけると嬉しいです!そして、すこしでも皆さんの知識の幅が広がってくれると嬉しいなと思っています。

最後までありがとうございました!

参考サイト

美味しいお茶の淹れ方|お茶のお話|農林水産大臣賞受賞の大塚製茶株式会社|掛川の深蒸し茶の通販サイト

アカネ科 - Wikipedia

トコン - Wikipedia

カカオ - Wikipedia

参考図書

・旦部幸博著 コーヒーの科学「おいしさ」はどこで生まれるのか 2016年

2月20日 株式会社講談社

・今井勝 平沢正 編 作物学 2013年11月10日 文永堂出版株式会社

p178

画像元

コーヒーの花 花 雨浸漬 ロブスタ · Pixabayの無料写真